監査業務のスペシャリストを目指すならCPA(公認会計士)
公認会計士法によって認められた国家資格です。企業の財政状態や経営状態が記された財務諸表が適正かどうかを監査し、内容について意見や指導を行う「監査業務」が代表的な業務です。公認会計士が活躍するフィールドは、監査法人、会計事務所、経営コンサルティング会社、公職関係、一般企業などです。
キャリアは、監査法人からスタートするのが一般的です。監査は通常、1顧客に対して2~3人の公認会計士がチームを組んで行います。チームリーダーとなるまでに3年程度の経験が必要ですが、リーダーまで担当すると、監査業務のスペシャリストとして評価されます。
また、公認会計士の資格を取得すると会計事務所への就職も当然、有利になります。監査法人や会計事務所で経験をつんだ後に独立する開業するケースも多いです。近年は、肩書きにとらわれず一般企業で金融、証券、M&Aをはじめとする財務・会計部門で活躍する人も増えています。
さらに他の資格と組み合わせてさらなるキャリアアップを目指す人も増えています。例えば、企業経営の財務戦略に強い人材を目指すなら、MBAのアカウンティング分野が有効です。中央大学の会計大学院を皮切りに複数の大学が開校しており、企業経営を数字の面から読める人材の育成は、重要課題として今後も注目されるでしょう。
将来の独立を視野に入れるなら、税理士(書類を提出すれば税理士登録ができます)や社会保険労務士を取得するのが有効です。例えば、公認会計士に税理士をプラスすれば税務相談のほかに、会計全般について適格なアドバイスができます。社会保険労務士をプラスすると、給与・雇用関連といった人事・労務関連のアドバイスもできます。
また、グローバル化が進み、日本企業も国際会計基準(IAS)に移行する方向にある中で、U.S.CPA(米国公認会計士)を取得すると、国内外を問わず強力な武器となるでしょう。
企業会計の透明性を保ち、証券市場を活性化させるためには、有能な公認会計士の増員が早急であることから、2006年から試験体系が簡素化され、短答式(4科目)と論文式(5科目)で構成される1回の試験方式となりました。さらに新しい試験制度では、受験資格が撤廃され、誰でも受験することができるようになりました。
学習期間 | 1~3年 | |
合格率 | 19% |
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受験資格 | なし | |
試験内容 | ◆短答式 1.財務会計論 2.管理会計論 3.監査論 4.企業法 ◆論文式 1.会計学 2.監査論 3.企業法 4.租税法 5.選択1科目(経済学、経営学、民法、統計学から選択) | |
合格基準 | ◆短答式 総点数70%を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とします。ただし、1科目につき、その満点の40%に満たないもののある者は、不合格となることがあります。 ◆論文式 52%の得点比率を基準として、公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とします。ただし、1科目につき、その得点比率が40%に満たないもののある者は、不合格となることがあります。 |
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受験料 | 19,500円(収入印紙) | |
試験日 | 短答式:5月下旬の日曜日(2010年より年2回実施) 論文式:8月の3日間 |
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試験会場 | 北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、熊本県、福岡県、沖縄県など |